バス利用 その2
途中の駅からバスに乗る場合、いろんな行き先のバスが来ます。弱視の者は目の前にバスがきてようやく系統番号が確認できる人がいます。それも見えない人は外部スピーカーから聞こえる音声ガイドに耳をそばだてて聞きます。真夏の炎天下、寒風に吹かれても、強い雨の中でも、ひたすらバス停にたたずむのです。バスが近づいてくると、どこからともなく、乗車する人たちが集まってきます。おそらく日陰にいたり、風よけの場所にいたりするのでしょう。そんな時ちょっと寂しい思いになります。どうして自然に「雨宿りするところがありますよ」と声をかけて、その場所へ案内できないのでしょう。
バスに乗り込みました。低床バスになってから後部席は盲導犬を伴っては使いにくくなっているので立つ場所が限定されてしまいます。白杖所持者よりは盲導犬ユーザーに対してのほうが声かけやすいこともあるのか「座られますか?」と席を変わってくださる人もありますが、座っている人がどんな人か、どんな表情で見ているのかが分からないので、犬を伏せさせておく場所にも気を使います。特に座りたいというわけではありませんが、座らせてもらった方が犬をすわらせたり、伏せさせるなど管理がしやすく助かります。
座席を譲っていただく場合、「どうぞ」と言われても空席がどこなのかが定かでありません。進行方向に向いている一人がけの椅子に案内してもらう場合、その椅子の背もたれ
に触れさせてもらったら、その位置・方向が分かり、容易に一人で座ることができます。
また、ベンチ式の場合は、視覚障がい者の足が空席の部分に当たるよう椅子と直角に位置させてもらったら分かりやすいです。
混雑している場合は手すりかつり革を持てるよう、視覚障がい者の手をもって、その部分に誘導してもらうのが早道で、「もっと右」などと言葉で言ってもらってもなかなか要領を得ない場合がえてしてあります。
私にかぎって言えば、2・30分くらい歩いていけるところであれば、あえてバスに乗って気苦労するよりは犬と一緒に歩いて行く方がはるかに楽で真夏や雨降りの日を除いては途中からのバス乗車は避けています。
乗務員の中には、乗り込むと「どこまで乗るの?」とマイクを通して聴いてくる人がいます。そんなことよりも「もう少し運転席側の左の席が空いていますよ」などと具体的な案内をしてもらいたいものです。そうすると近くにいる人も「もう一つ前ですよ」などと声がかけやすくなるのではないでしょうか?「停車してから立ってください」と怖いくらいに危険防止をしておきながら、停車位置がまちまちで、きちんと歩道間際に停車する人がある一方で、車道へ降りてから改めて歩道へ上がらねばならないような止め方をする乗務員が多いですね。足腰が弱い人や我々見えない者にとっては危険きわまりない。そうした思いをされたことはありませんか?
集団で騒がしくおしゃべりをされると「次は〇〇」というアナウンスが聞こえず、不安な思いをしたこともあります
見えない・見えにくそうな人が乗車内で困っているような様子を見かけられたら「お座りになられますか?」とか「前の方がすいていますよ」などと状況を知らせていただけるだけで助かります。
よろしくお願いします。