盲導犬って?
今回は、私が行動する上で大切なパートナー・盲導犬について、紹介します。
「盲導犬は賢いねえ、厳しい訓練を受けてきたもんね」とよく耳にします。
でも、それはちょっと違います。
盲導犬のトレーニングは、厳しくというよりは、人との信頼関係をしっかり築いた上で、盲導犬としての仕事を一つずつ覚えていきます。そのプロセスの中で大切なのは、学習したことを見事にクリアしたときは「グッド・グッド」と褒めてやります。犬も尻尾を振って応えます。
人間の子供だって、同じことがいえませんか?
盲導犬は、使用者である視覚障がい者の「目の代り」をしますが、どんなことをするのでしょう。
1.階段の上がり下がりを知らせてくれます。
階段の手前で一度止まり、使用者が「ステップ」と声をかけると、前足を階段の一段上った所において止まります。下りる時は同じように階段の手前で立ち止まり、「ステップ」の指示で前足を一段下がった所において止まります。使用者はハーネスのハンドル部分の角度で上がり下がりが分かります。
2.障害物を避けます。
盲導犬使用者である視覚障がい者が、物にぶつからないように、犬と人の幅を見極めて通り抜けるよう盲導犬は学習します。
放置されている自転車や歩道の上に乗り上げた車などがあると、その手前で盲導犬は立ち
すくんでしまい、考えた結果、使用者と一緒に、やむなく車道へ迂回してしまうことがあります。
3. 盲導犬は道の壁面を歩きます。
そうすることで、使用者は道のどの位置にいるかを把握しておくことができます。また壁面を歩いていることで、次の曲がり角などを見つけやすくなります。
盲導犬の仕事は、基本的にはこの三つです。
盲導犬に対する疑問
●盲導犬にはコートを着せています。
盲導犬は、バスや電車に乗ることもあります。また、喫茶店やレストランに入ることもあります。そうしたとき、犬の毛が飛散したり、近くにおられる人の洋服に毛が付いてしまうことがあるので、少しでもそうしたことが防げるようにマナーコートとして着せています。
雨降りの日には、レインコートを着せます。
●「この盲導犬の名前は何というの?」とよく聞かれます。
使用者の人に聞いたら、教えてくれないことがありますが、犬は自分の名前を呼ばれるとついついそちらの方へ気がいってしまって、盲導犬としてのお仕事を忘れてしまうことがあるからです。
●信号は分かるのでしょうか?
いいえ、目の見えない使用者が車の音や音響信号機の「ピヨピヨ・カッコーカッコー」などの音を頼りに、「ゴー!」と指示を出します。
犬には赤青の判断はできないとも言われています。
●おしっこやウンチはどうしているのでしょうか?
胴体にまき付けたベルトに袋を付けて、その中に排泄させるようにしています。
できるだけ決まった時間帯にさせるようにしています。路上などでは緊急を除いてはさせることはありません。一般の飼い犬についても、こうしたしつけができないものかと?
●盲導犬はバスの行き先までは分かりません。
入口などへの案内は上手にしますが、行き先は分かりません。
周囲の方からの「〇〇行ですよ」の声かけがあれば助かります。
●「がんばってね!連れていってあげてね」と盲導犬に声をかける人が多いですね。
盲導犬が目的の場所まで引っ張って行くということはありません。
もとより、日常的に利用している所であれば、言葉で支持してやれば、理解して、その方向を向くということはあります。
盲導犬は、使用者である視覚障がい者の支持にしたがって歩いたり・伏せたり、ときには椅子を探すこともあります。
*盲導犬と一緒に行動するとき、いろいろな問題も出てきます。
そうしたことにも、また触れていきたいと思います。