動物園に盲導犬を伴って出かけていく件については、私が出かけていくことによって、明らかになったことが過去にもある。
2005年、ABCラジオの番組の中で北海道ツアーの応募があって、競争率の高い中、当選した。
その企画の中に、人気の旭山動物園も含まれていた。当選者の中に盲導犬ユーザーがいること自体想定外であったろう。JTBの担当者とは、宿泊所のこと、観光バス乗車のことなども含め、動物園入園について何度も電話連絡を取り、実際に私と動物園の間で話し合いもした。このときは、盲導犬は事務所に預けるということでひとまず納めた。
その後、全犬使用会盲導犬ユーザーの全国組織)でも取り上げてられ、翌年の春からは、「補助犬を同伴していただけるように調整中です」ということになったが、一部制限区域が設けられた。理由は、犬に対する反応に個体差があるので慎重にならざるを得ないこと、また動物間の病気の感染も心配だということ。
そのことを取り上げた「盲導犬と北海道ツアー」というブログを書いたことがある。これにコメントしてきた人かあり、それに応えている私の文章が見つかった。
Q.盲導犬同伴で動物園に行く必要があるの?
A.視覚障害者が動物園に行くことには 必要とか何とかの理屈はいりません。
盲導犬は視覚障害者が行きたい所へ「眼」の変わりとして同行しています。
それは補助犬法など社会的認知を得ています。
視覚障害者の「行動の自由」の一つなのです。 けっして、無理に盲導犬を連れている訳ではないことをご理解ください。
Q.動物園の動物に与えるストレスの事を考えたりしないの?
A.犬に強く反応する動物もいるかもしれません。
それが一時であってもストレスになるかどうかは定かでありませんが、特に問題になるような場合には、次からケースによって考えるべきだとは思います。
今までの事例に盲導犬同伴で問題があったようなことを私は聞いていません。
Q.自分さえよければ何でもいいって感じですね。
A.障害のある者が社会に参加しようとするさい、多数者の論理で少数者の行動や考え
方を、「気まま」として切り捨てようとする人たちがいることも 承知しています。
Q.障害を持った人や盲導犬には、頑張って欲しいけど、
A.「頑張って欲しいけど」とは自分で努力して欲しいということでしょうか?
「支援できるところはお手伝いしたいけど」と言ってもらった方が嬉しいですね。
Q.これって単なるアナタのエゴじゃないですか。
A.ここで私が盲導犬の入園拒否を取り上げたのはなにも私個人が盲導犬と一緒に入りたい!という 思いだけで書いたのではないことを読みとっていただきたいですね。
Q.最悪
A.この言葉は私にというより盲導犬ユーザー・視覚障害者に対する偏見としか取れません。
最後に、私個人としては動物園に入園する場合、環境が整っていれば事務所で盲導犬を預かってもらって誘導者と一緒に動物園を楽しむというのも一つと考えています。
しかし、それは盲導犬ユーザー個々の選択に任すべきで基本的には、「見える」「見えない」という状態に関わらず「いつでも何処でも行きたい所へ自由に行動できる」というのが「人・一市民」としての当然の考えではないでしょうか?
これが当時のやり取りの一コマです。