一昨年の冬に、某小学校の4年生担当のF教諭から「知り合いの方に紹介してもらったのですが、子供たちにお話をしていただけないでしょうか」との申し出があり、喜んで承諾しました。
このときは、90分の時間枠があったので、話をする他に、点字学習として、生徒6人を1組として、それぞれが1の点や6の点となって、文字を作るようにしたり、子供たちに障害物役で、盲導犬が、そこをどのように避けて歩くかをデモしたり、アイマスク体験もしてみました。
今秋、F教諭から再度の申し出がありました。教科書などではどのように扱われているかを尋ねたところ、国語の教科書に「手と心で読む」という目の不自由な方が書かれた資料が載っているとのこと。最初は「盲導犬の学習について」という表題で依頼が来ましたが、「見えない・見えにくい人への学習」と表題を変えていただきました。事前に生徒から質問を出してもらうように御願いし、その内容をまとめてもらったものがメールで届きました。そのなかから幾つかをブログに紹介しています。http://yuneeds.seesaa.net/。
当日は、生徒たちに、学校近くの駅まで出迎えに来てくれるようお願いしておきました。担任と一緒に7・8人の生徒が出迎えてくれました。
実際に盲導犬が階段を1段ずつ止まって降りる所など興味深く見てくれていたと思います。
今回の授業は参観日ということで父兄方々にも聴いていただけました。
時間枠が60分ということで、やや急ぎ足の内容となってしまいました。質問内容も踏まえて、自己紹介に始まり、見えない状態にもいろいろあること。生活ではどんなことが不自由で、どんな楽しみ方があるのか。街中には点字ブロックや音響信号機があって、それぞれどんな役割をしているのか。街中で見えない人を見かけたら声かけを心掛けて欲しいこと、など、事前に用意してきたメモを辿りながら説明をしていきますが、時計の針の動きも気になります。盲導犬の背中についているバッグの中に何があるかが気になるところ、排泄用のベルトと袋を引っ張りだして実際に尻尾に括り付けて「こうして出せば何処も汚さずに処理できますよ」と説明したり、白杖歩行を紹介しながら「横から自転車が走ってきて杖を折るということもある」など、マナーに心がけて欲しいことも御願いしました。盲導犬の仕事についてはプロジェクターで階段の上がり下がり、障害物を避ける所などを紹介。そんな内にチャイムが聞こえてきました。アイマスク体験がまだできていないので、少しでもとペアになってもらって腕をもってもらうように説明をしましたが、何人かの子供はアイマスクを目ではなく口にしかけていたようです。
最後に、「2・3質問があれば」と言うと、多くの生徒から手が挙がりました。関心をもって聞いてくれていたことが感じられます。
話を始める前に、「手を挙げるだけで間分からないので、声を出すか拍手をするかで知らせて欲しい」、と言っておいたので、「盲導犬を見たことがある人」などの質問には元気よく「はーい」と多くの声が帰ってきました。私が話しているときも頷いてくれている声があちこちから聞えてきました。
帰り支度をしている私の前に「ありがとうございました」と丁寧にあいさつをしに来る生徒も幾人かいました。