1990年5月
盲福研情報No.5より
視覚障がい者と郵便
NHKの朝の番組「私たちの言葉」(今は無い)というリスナーからの当初番組の中で、「視覚障がい者がワープロやカナタイプを使って葉書を出そうとしても、その表裏・上下が分からない。何とかならぬものか?」(注)という当事者からの声が読み上げられました。折よく、その放送を聞いていた時の郵政大臣が、早速その日、事務当局に「検討して欲しい」と指示をし、そのことが夕方のニュースで取り上げられました。打てば響くというのはこのことで、後日大臣から「連休明けには具体化したい」という投稿があったとのこと。朝早い(6時50分から)の番組を聞き、国民の声をできうる事から行動に結びつけようとする姿勢はすがすがしさを感じさせるものでした。
ところで、郵便といえば、ちょっと気になることがあります。墨字・点字同様の文字
内容であれば、点字郵便と同じく無料で投函できます。このことを悪用する人(視覚障がい者も含め)があることが問題になっています。1.点字郵便
先達が経済的負担軽減などを願って運動を重ねる中で認められたこの制度を安易な考えで利用し、摘み取ってしまうような行為は慎まねばなりません。
(注)葉書の切手を貼る下の部分(左下)に切れ込みを入れることで、表裏・上下が分かります。この切れ込みは、テレカなどでも用いられました。