今から15年前、 ABCラジオ、おはようパーソナリティ道上洋三です、という番組で、リスナーと一緒に北海道旅行を!という案内をしていた。めったに応募などしないのに、葉書を出したところ当選通知が届いた。盲導犬と一緒に出掛けるということで主催者側とは色々やり取りをしたが、 このことについては、またの機会に紹介するとして、百数十名のツアーの一員として、我々夫婦と3頭目の盲導犬も一緒に伊丹から飛行機で北海道に向かった。
旭川動物園や北の家族のロケーション地などを巡って日高の乗馬体験のできる所へいった。家人は高所恐怖症があるとのことでパスしたが、私はわくわく気分で順番を待つ列に並んだ。馬の横に足台があり、そこから「よいしょ!」と馬にまたがる。サラブレッドの立派な馬だ。たてがみをなぜる。盲導犬とは違った親しさがわいてくる。引き綱を持った人が足元から声をかけてくれる。「写真を撮ってくれますよ」と、思わず馬上でVサインをしたものだ。わずか5分くらいの体験であったが、インパクトが充分あった。
その後、蔵王の麓で乗馬体験のできるところを見つけた。先方に、盲導犬ユーザーである旨を伝えたが、なんの問題もなく受け止めてくれた。見えない者が、何かちょっと変わったことにチャレンジしようとすると慎重になったり、盲導犬は近づけないでください、というようなことも言いかねない。ここでは全くそうした反応はなかった。
ホテルに隣接して森が広がっている。その中を30分程度歩く。一応転倒防止のためのヘルメットを装着する。盲導犬は家人がリードをもって馬より数メートル前を進行方向に歩く。後ろからついてくると馬に蹴飛ばされてしまうかも?ということらしい。
これまで現地には3度出かけた。初回は、鞍にお尻を載せて、高い位置から自然の雰囲気を味わう、という感覚であったが、2度目のときは、鐙に軽く足を乗せ膝を伸ばして鞍から尻を挙げて立っているような感覚で乗るようにと引き綱を持つ人に言われた。30分歩く中で、いろいろと会話も交わした。全くと言ってよいほど怖さはない。あと数分で終わりというときには「ちょっと駆け足してもらえますか」とお願いしたものだ。
日高へ出かけたときの3頭目の盲導犬はえらく馬に反応して事務所で預ってもらったが、4頭目の盲導犬は全く馬への反応はなく、高い所に乗っている私を気にしているようでもある
自然の風景の中で、ゆったりと自分の体重を受け止めてくれている馬。なんの抵抗もなく当たり前のように関わってくれているスタッフ。
この環境が乗馬プラスアルファーの効果をもたらして仙台からバスで1時間近くかかるこの場所へ何度も向かわせるのだろう。
もう少し若ければ、自分でコントロールして一定の距離を走れるくらいのチャレンジもしてみたかったところだ。