バス、電車の車内で視覚障がい者を見かけたら
1.バスの車内で
京都市内では低床バスが増えつつある。
車いすユーザーや、高いステップの上がり降りが困難な人たちにとっては乗りやすくなってきたが、その一方で、盲導犬ユーザーをはじめ視覚障がい者にとっては正直、少々使い辛い面もある。
同様に、点字ブロックが視覚障がい者にとっては有効な移動手段であっても、足腰の弱い人たちにとっては障害物になる場合もある。
以前の市バスは、最後尾から乗車し、
進行方向に向かって左は二人掛け、右は一人掛けの座席とほぼ決まっており、
この「統一されている」ということが、見えない者にとってどれほど有難かったことか。
視覚障がい者は、背もたれの後ろから軽く手を前に送っていくことによって座っている人の肩先に触れることで、
空席の有無を判断できた。
ところが、今のバスは座席の並びもまちまちで、
自力での空席探しはほとんどできない。
そればかりか、邪魔にならない場所に立っていたいと思うが、
全体の状況が把握できないので、それもかなり難しい。
盲導犬と一緒のときはなおのことである。
そんなとき、「空いている座席がありますが座られますか?」と声をかけてもらうか、
「もう少し運転席側へ移動された方が安全ですよ」と、
さりげなく声をかけてもらえると本当に助かる。
「空いていますよ」とだけ声がかかる場合があるが、
その空いている席が何処なのかは分からない。
「後ろです」と言われても車両の後ろ側なのか、
立っている背中のすぐ後ろなのか判断できない。
また、視覚障がい者を抱え込むようにして座席へ導く人もいる。
それも黙ったままでされては、荷物扱いされているようで気分もよくないし、
何処へ連れて行かれるのかと不安にもなる。
座りたいかどうかの問いかけに始まり、
具体的な位置関係を説明しながら、軽く手を添えて背もたれを触らせてもらえたら、
座席の方向も分かるし、座面の高さも自分で確認できる。
いずれにせよ、まず「声をかけてもらう」ということが何よりの手助けとなり、視覚障がい者にとっては有難いことだ。