バス、電車の車内で視覚障がい者を見かけたら
2.電車内で
見えない者が周囲の状況を把握する時、目以外の感覚をフルに活用する。
電車に乗った時は、まず、その車両が混んでいるのか、空いているのかを全身で感じ取ろうとする。
とは言え、あくまで直感であって、事実とは違う場合も少なくはないが・・・。
混んでいそうだな、と思う時はドア近くに立つことが多い。
座席がかなり空いているように感じる時は、
手にしている小さめのかばんをぶら下げて、
横一列に並んでいる座席の端から順番に、座っている人の膝頭をかばんで触れるようにして前進する。
足に当たらない所にきたら、手で座席を確認する。
まれに「座られますか?」と声をかけてくださる人もあるが、
空席の方が目立ってきたであろう車内でも立ち続けていることの方が多い。
どうしても座りたいわけではないので、とりあえず立っているが、やはり寂しい気持ちになる。
座っておられる人が「どうぞ」と席を譲ってくださる場合もある。
こんな場合、「次の駅で降りますので」とか
「向かい側の空いた席へ移りますので、どうぞ」などと言ってから立ってくださると、
譲られたこちらの気持ちも軽くなる。
混みあっている時は、手すりや吊革など何処かつかめる所へ手を導いてもらえると助かる。
視覚障がい者を座席へ案内した後、
前に立っておられても声を出されないかぎり話しかけることもできず、不安な気持ちになる。
この場合も「前に立っています」や「隣に座ります」など、所在のわかる一言があれば安心できる。
ベンチ式の座席に誘導する場合は、
視覚障がい者を座席と向かい合うように立たせてもらえたら、膝が座席に当たることで確認できる。
ボックス席のような所では、背もたれに触れさせてもらいながら、
「窓側には既に座っておられる」などの情報も伝えてもらえると助かる。
やはり電車の場合もバス同様、
「空席がありますが、座られますか?」などの一言が、
身体的にも心理的にも視覚障がい者の大きな支えになる。