盲導犬は視覚障がい者の歩行を助ける仕事をしています。
視覚障がい者は慣れている所であれば、頭の中に描かれた地図などの情報を元に歩くことができます。
したがって、自宅や一定の空間は何の手助けもなく、移動することができます。
しかし、初めて行く場所であったり、たとえ頭の中に描かれた場所であっても、状況が変わってしまっていたりすると、いろんな物にぶつかったり、足を踏み外したり、危険な目にあうこともしばしばです。
そんなときに、盲導犬が活躍してくれます。
階段の上がり下がりを知らせてくれます
「写真1」は、「階段を上がるよ!」と伝えています
まず、階段の手前で一度止まり、使用者が「ステップ」と声をかけると、前足を階段の一段上がった所において止まります。この状態で視覚障がい者はハーネスを通して、上りの階段であることが分かります。「写真2」は、「ここより先は下に降りるよ!」と伝えています
階段の手前で立ち止まり、「ステップ」の指示で一段下がった段の所で止まります。ハーネスの角度で降りる階段であることが分かります。
エスカレーターの乗り降りも上手にしますよ!
障害物を避けます
「写真3」は、遊歩道の入り口のバイク止めの柵を避けて通りぬけているところです
犬だけが通り抜けるのであれば、それは簡単に通れるところでも、一緒に歩いているご主人がぶつかってしまわないようにするのが盲導犬の技術です。犬と横にいる人間が一緒に通り抜けることができるかどうか?
この判断を、盲導犬はトレーニングによって学習します。
ターミナル近くに放置されている自転車、歩道の上に乗り上げた車。その手前で盲導犬は立ちすくんでしまうことがあります。そして、考えた結果、「こんな狭い所は通り抜けられない!」と結論を出して、ご主人と一緒に、やむなく車道へ迂回してしまうことがあります。
盲導犬は道の壁面を歩きます
「写真4」は、道の左側面に沿って歩いているところです
こうすることで、視覚障がい者は道のどの位置にいるかを把握しておくことができます。道の真ん中近くで歩くと、その位置関係が分からなくなり、車などを避けるときに適切な判断ができないことがあります。また、壁面を歩いていることで、次の曲がり角などを見つけやすくなります。
盲導犬ではできないこと
信号の赤・青は分かりません
視覚障がい者は、横段歩道手前で止まる車の音で、「青になったかな?」と何とか判断しています。
- 盲導犬と一緒に横段歩道で立っている視覚障がい者を見かけたら、「青になりましたよ」と声をかけてください。そうしたら視覚障がい者は盲導犬に「Go!」と支持を出して真っ直ぐに横段歩道を渡ることができます。
盲導犬はバスの行き先は分かりません
バス停でも視覚障がい者の横で大人しく座っている盲導犬ですが、残念ながら行き先のナンバーなどは読めません。
- 「なになに系統が来ましたよ」と伝えてくださることで、視覚障がい者は随分と助かります。